最強のクリーチャーは何か?という命題はいつの時代も論議の的になるものだ。古くは《惑乱の死霊》や《セラの天使》に《アーナム・ジン》、歩く火力の《ボールライトニング》、ボードコントロールの《マスティコア》、青い悪魔と呼ばれた《変異種》など人によって思い入れは様々だろう。しかし2001年オデッセイの登場によりその第一候補に挙がり得るクリーチャーがさらにひとつ誕生した。他でもない《サイカトグ》である。

3マナ1/2、マルチカラーときてマナレシオからすると貧弱な観が拭えないが、驚くべきはその能力。手札と墓地をこのエイトグが『食べる』ことで脅威のパンプアップを見せるからだ。手札を2枚捨て、その2枚をゲームから取り除くことで+3/+3のサイズに変身してしまう。ヴィンテージでは手札を充実させる手段は山ほどあり、またパーミッションのフィニッシャーとしてその破壊力は十分なものだった。

当時、正統派なパーミッションは《変異種》をフィニッシャーに据えていたが、アンタッチャブルがあまり意味を成さない環境ということもあって、またゲームをより早く決めることが高まることから《サイカトグ》が取って変わったのだった。

その発展系と呼べるのが《Berserk》を加えたハルクスマッシュである。既存の青黒に色は異なるが緑をタッチし《Berserk》を与えることにより一発でゲームを決めることが出来るようになった。このデッキが生まれたのは単にそれらのカードがあったからだけではなく、願いカードの存在が多分にあった。《狡猾な願い》からシルバーバレットすることにより必要なタイミングで《Berserk》が手に入るというのは戦術として非常に重要なものであったことは論をまたない。

そして何より外せないのがGATであろう。エクステンデッドで一世を風靡したミラクルグロウにハルクスマッシュの一発的要素を組み込んだヴィンテージ独自のデッキである。1,2マナの軽量ドローでデッキを掘り進め、《クウィリーオンのドライアド》をパンプアップ。ある種このデッキの一番のキーであるピッチスペルの《噴出》、フルタップ状態からさらに手札を肥やす能力はあっという間にクリーチャーを肥大化させ、《Berserk》により確実に致死ダメージを叩き込むことが出来る。

そのGATの影響か、2003年3月の制限カード指定によってGATの隆盛は終わってしまったものの、2007年6月20日の制限解除に伴い、再び一線級のデッキへとのし上がってきた。

サンプルデッキ
ヴィンテージ選手権07(〜未来予知) 優勝 Stephen Menendian

クリーチャー
4 クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad
1 サイカトグ/Psychatog

インスタント・ソーサリー
1 Ancestral Recall
4 渦まく知識/Brainstorm
1 狡猾な願い/Cunning Wish
4 Force of Will
4 噴出/Gush
2 Mana Drain
2 誤った指図/Misdirection
1 神秘の教示者/Mystical Tutor
3 選択/Opt
1 赤霊破/Red Elemental Blast
1 吸血の教示者/Vampiric Tutor
1 Demonic Tutor
4 強迫/Duress
4 商人の巻物/Merchant Scroll
1 Time Walk
1 ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will

エンチャント・アーティファクト
1 Black Lotus
1 Mox Sapphire
1 Mox Jet
1 Mox Ruby
1 Mox Emerald
1 Fastbond
土地
1 島/Island
3 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
1 Library of Alexandria
3 汚染された三角州/Polluted Delta
2 Tropical Island
3 Underground Sea
1 Volcanic Island

サイドボード
3 真髄の針/Pithing Needle
3 イクスリッドの看守/Yixlid Jailer
1 秘宝の突然変異/Artifact Mutation
1 Berserk
1 火+氷/Fire+Ice
2 酸化/Oxidize
1 紅蓮破/Pyroblast
1 赤霊破/Red Elemental Blast
2 水没/Submerge

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

この日記について

日記内を検索